ある日、18歳以上の童貞が謎の奇病で死んでいくようになった日本。謎の奇病の原因が童貞であることが判明しました。以来、日本の童貞環境は一変。風俗は童貞価格(相場の100倍)を打ち出し、近くの女性に脱童貞を依頼する男が溢れたり、非童貞が童貞を攻撃したりと容赦のないディストピアが始まりました。そんな中、主人公の童貞・英利は、色々あって両想いになれた女の子に童貞をささげることが出来るのか!?というギャグ、シリアス、本気、冗談、ネタ、パワーワードが入り混じった良く分からないストーリーです。
↑息子(英利くん)が死なないように、自分とのセックスを求める母ちゃん
1巻の頃は童貞が救いも無く死んでいくというシーンが多かったことから、童貞を馬鹿にしていると酷評されることが多く、実際に読者人気は22作品中23位(表紙に負けた)と散々でした。しかし、2巻に入り始め、ヒロインと相思相愛になったころから、脱童貞を邪魔する第三者との闘いがメインになり、笑いあり涙あり男の偏見ありの面白さを生み出し始めました。この漫画は「シリアスな笑い」とはズレています。逆の「ギャグの中のシリアス」といったところでしょうか?ギャグなんですが、ギャグの中にシリアスが入っているような印象です。次第に順位を上げていき、とうとう男性部門でNo.1を取ったと思ったら、2021年3月の直近では女性層も含めたマガジンエッジで読者人気一位を誇るようになった恐るべき漫画です。
ちょっと前までは、この漫画を作るにあたって作成されたエッセイ漫画の方が本編よりも飛びぬけて面白かったので、そちらが本編だという揶揄(作者曰く「餃子のうまい喫茶店」)もあったものの、最近では童貞絶滅列島の本体の方が目を見張る面白さを出してくれるようになり、バランスが取られるようになりました。
僕の個人的な感覚でも、2巻ぐらいから面白くなりました。具体的には、童貞を救うべく、童貞は米軍によって確保され、施設によって脱童貞の処理をされるようになる展開が2巻の途中からあるのですが、そのあたりからうなぎ登りに面白くなりました。ただ童貞が死んでいくという一方向の側面から、相思相愛の相手は居るけれども、色々な障害が邪魔して童貞を捨てることが出来ない、という物語の主軸が入ったためだと思います。
今は童貞プリズンから脱出し、童貞解放戦線に身を寄せることになりますが、その中でオタサーの姫・亜里沙が一人二人ならぬ1枚2枚と童貞を奪っていくシーンがあり、謎の危機感を感じています(笑)別に、主人公の英利君は心に決めた相手が居るので、その途中で童貞を奪われるのはバッドエンド・童貞中退になってしまいますが、それ以外の登場人物は童貞を無くしても何のデメリットも無いんですよね。そう考えると亜里沙は間違いなく脱童貞の女神(またはネ申)ですが、初期ではホ別200万円という法外な金額で買春を行っていたので、何か一波乱はありそうです。
マガジンエッジ連載中ですが、ニコニコ静画でも2週間ぐらい遅れて無料配信中の作品でもありますので、読むだけなら無料で読める作品です。面白いのでぜひ一度読んでみてください。