亜獣譚【1巻~8巻・完結】

人間が害獣になってしまう世界で、害獣の「亜獣」を狩る駆除兵のアキミアと、おっぱいの大きい衛生兵のホシ・ソウが、害獣がうじゃうじゃいる森で出会うところから物語が始まるラブストーリーです。色々と物語独自の単語や設定があるので、なかなか一言では説明できませんが、なるべく簡単に言うならラブストーリーです。ただし、ただのラブストーリーではありません。これでもかという重みと、人間を人間たらしめるような歪みを搭載した恋愛、純愛の物語です。

物語の初めに、アキミアはソウさんの「弟を助けたい」という希望を悪用してソウさんに結婚と性行為を強制させまます。これだけ見るとやりたいだけの下衆に見えますし、最初の方の読者コメントでは実際にそういった声が大きかったのですが、実はそんな簡単な話ではありません。アキミアの行動には物凄く重い自己破壊の欲求、どす黒い信念、そして声に出せない救済希望のようなものが背景にあることが分かります。また、ホシ・ソウの方も、決してアキミアのなすがままという訳ではなく、こちらもある意味腹黒いしたたかさを持っていますので、非常に物語に厚みを生み出しています。

亜獣譚

したたかな強さを持つホシ・ソウさん

大体一つの話に5話ぐらい使いますが、それぞれの話には繋がりがありますので、一話から順に読んでいくことをお勧めします。また、重厚な物語のため、何回か読み直さないと頭が混乱するかもしれません。6話から現れるガチクズのハラセは、作者はどういう人生を歩んできたのだろうか心配になるようなクズです。ヤバイです。ホシ・ソウの弟であるホシ・チルがこれでもかと下衆な方法でハラセに追い詰められます。これはどう考えても少年向けではありません。大の大人向けです。その上、ホシ・ソウにもとんでもない秘密があります。出てくるキャラほぼすべてについて、人に言えない物凄く業の深い性癖・趣味があるのがこの漫画です。

大きなストーリーを追うだけなら1回読むだけで十分なのですが、それぞれの伏線をしっかり把握した上で読むともっと面白く感じます。メインにあるのは間違いなくアキミアとソウのラブストーリーなのですが、その周囲にある群像劇についても理解できていると2倍3倍に面白さが跳ね上がります。

そういえば「異常者の愛」という漫画があったかと思いますが、この漫画は「異常者の純愛」ですね。亜獣譚にサブタイトルを作るなら?と言われればそのように付けます。

アプリで配信されていたので、読み返すのにポイントを使用するため、群像劇の方や示唆となる世界観を読み損ねやすいのが残念です。また、「ちょい足し」は本編の大事な設定や説明がなされることが多いので、亜獣譚の世界をしっかりと味わいたい場合は必須です。または単行本を買えということですね。

この漫画もマンガワンで連載していましたが、2020年2月に綺麗に完結しました。それに伴いアプリの無料公開も終了してしまいましたが、2021年3月に再び全話無料で読めるようになったので、この機会に読んでみてください。

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